今季限りで現役を退く日本ハム田中賢介内野手(38)が、日本での通算1500安打に残り4本に迫った。

23日のロッテ25回戦(ZOZOマリン)に、6番指名打者で先発フル出場。7回先頭の第3打席で右翼線に二塁打を放ち、大台へ、また1歩前進した。石井の左前適時打で一矢報いる得点も刻み、関東では自身最後となる試合を笑顔で締めくくった。

この日は同じく今季限りで引退するロッテ福浦の引退試合。3万343人のファンで球場が埋め尽くされた。功労者をねぎらう「福浦デー」だが、田中賢も両チームのファンに後押しされた。「田中賢介」とコールされて打席へ向かう度に、拍手と大声援。「本当にロッテのファンの方も毎打席声援をくれて感謝していますし、うれしかったですね」。敵地で受けた敬意に、心の底から感謝した。

試合後は日本ハムで同僚だったロッテの岡、レアードから花束を渡された。岡とはシーズンオフの自主トレをともにするなど、親交のある間柄。感慨深い思いを胸に、抱き合った。「(岡が)号泣していたから、もらい(泣きし)そうになった。かわいがった後輩の1人なので、ぐっとくるものはありましたね」。今季出場は、86試合。この日までに12球場でプレーし、「さよなら」を告げたのはZOZOマリンで10球場となった。

チームはクライマックスシリーズ(CS)進出が断たれ、2年ぶりのBクラスが確定。だが、成績とは違う観点でのプロ野球の素晴らしさを日々、感じる毎日だ。節目の記録を目前にし「どうなるかわからないけど、とにかく変わらず、残りの試合もファンの人にしっかり見せられるように、全力でやりたいと思います」。残り3試合、力を全て振り絞る。【山崎純一】

▼日本ハムは今季ロッテとの最終戦を敵地で戦い、デーゲーム全日程を終了した。24勝35敗3分けで、勝率は4割7厘。12年就任の栗山監督のワーストは13年の勝率3割6分5厘(19勝33敗1分け)で、勝率5割以下は4度目。