立正大が亜大に連勝し、勝ち点1とした。

初回、1死三塁から荒原祐貴内野手(4年=常総学院)の右前適時打で先制すると、2回には米田虎太郎内野手(4年=帝京大可児)の左越えソロ本塁打、3回には佐々木勝哉内野手(4年=日大三)の2試合連続となるソロ本塁打で追加点を挙げた。

3-3の同点に追いつかれた直後の6回表には、代打の米田克也外野手(3年=関東第一)の中越え2点適時三塁打で勝ち越し。さらに8回には1死二、三塁から神保翔外野手(4年、埼玉栄)のスクイズで1点を追加。打球が投手から一塁へ送られる間に二塁走者・阿部一心外野手(3年、報徳学園)が一気に本塁を陥れ、2ランスクイズを成功させ試合を決めた。

今季3本目で2試合連続となる左越えソロ本塁打を放った佐々木勝は7試合で4割9厘。リーグ2位の打率で絶好調だ。その要因は、今年卒業した先輩のアドバイスだった。9月11日、東洋大戦で3ラン本塁打を放ちながらも、雨でノーゲームに。

「その試合後、先輩から連絡をもらったんです。本塁打を打つと打撃がおかしくなるから、右方向に練習しておけ、と。その通りに練習をして結果が出ています」と感謝した。卒業してもなお、気にかけてくれる先輩。その思いに接し、受け継がれる立正大の歴史を途切らせてはいけないと実感した。「後輩たちには来年も1部でプレーをさせたい」。4年生の意地が後押しした。

前週、国学院に連敗すると、坂田精一郎監督(45)は、なかなか結果を残せない4年生に「次でダメなら若手中心に切り替える。4年生の意地を見せてくれ」とげきを飛ばした。

「後輩たちにプレーで示せてない。4年生が行動で見せよう」と、主将の根本郁也内野手(4年=桐光学園)を中心に話し合い、翌日から下級生が担当している練習前の準備から片付けを4年生が担当。練習では率先して声を出し、チームを引っ張る意識を態度で示した。

「分かっていたけど、なかなかできなかった。それを監督に言われて…悔しかった」と佐々木勝。しかし、これで野球に対する意識が変わった。個人の結果ばかり求めていたが、チームのために打つ意識へと変わり、ここぞという場面でチームを勝利に導いた。

坂田監督は「4年生が覚悟を決めて、下級生に意地を見せてくれましたね」とたたえた。4年生がチームを引っ張り、貴重な勝ち点1で、チームとして大きな自信をつかんだ。上位を狙う戦いは、これからだ。