ロッテ清水直行2軍投手コーチ(43)が4日、ロッテ浦和球場に退団のあいさつに訪れた。

「マリーンズには感謝しかない。自分の知見を広げるため、自分自身さらに成長するため、わがままを聞いてもらった」。恵まれたロッテでの環境ではなく、あえていばらの道を選択。今後は国内外問わず指導者を続ける見込みで、沖縄初のプロ野球チーム「琉球ブルーオーシャンズ」の初代監督への就任を前向きに検討している。

18年にロッテの1軍投手コーチに就任した。現役時代の09年以来のピンストライプユニホーム。キャンプ初日に袖を通した日のことはよく覚えている。「身が引き締まる思いと、またマリーンズのユニホームを着られた喜びがあった」。1軍ブルペン担当を経て、今季からは若手や残留組を見るために2軍投手コーチに配置転換。生きのいい若手を次々に1軍に送り込んだ。1軍に来た若手投手はみな口をそろえて「直さん(清水直コーチの愛称)のおかげで-」と感謝。退団あいさつ後に、ドラフト5位ルーキーの中村稔弥投手(23)から「本当に寂しいです」と声をかけられたように、みなから慕われていた。

ロッテで過ごしたコーチとしての2年間の思い出は何げない日常だ。「若手が1軍で勝った時の笑顔を見るのがうれしかった。自信をなくしている子がいい球を投げて自信を取り戻すのがうれしかった」と毎日が忘れられないものとなった。

コーチ生活含めロッテでは12年もの時を過ごした。退団後も、もちろん帰る場所と考えている。「またマリーンズに帰って来たいし、帰って来てほしいといわれた時にすぐに帰られるように成長したい」。好きな言葉は「挑戦」。新たな環境に身を置き、さらに自分を磨く。