最強の「参謀役」を1軍に招へいしてソフトバンク工藤監督(56)が、来季のリーグV奪回&4年連続日本一を目指すことになった。コーチングアドバイザーとして18年シーズンから球団入りしている金星根(キム・ソングン)氏(76)が来季は1軍帯同で工藤監督ら首脳陣にアドバイスを送ることが14日、分かった。

「チームにしっかりと練習する環境や一丸になって戦うために(キムさんに)1軍に来てもらった。監督としても、すごい成績を残した方だし、どうやったら勝てるのか、ということを誰よりも知っているから。いろいろと聞いていきたい」。工藤監督自らが発案し、球団に金氏の1軍帯同を要望した。この2年間は主にファーム育成環境でアドバイスを送っていた金氏だが、工藤監督の強い要請で1軍の完全サポートが決まった。すでに宮崎秋季キャンプでも1軍練習を見守り、工藤監督ら首脳陣に助言を行っている。

金氏は韓国プロ野球など計7球団で監督を務め、通算1300勝以上を挙げた名将。韓国内では野球の神様を意味する「野神(やしん)」と呼ばれた。妥協なき練習への取り組みなど王球団会長の考えと合致。王会長の招きでホークス入りしていた。

「キムさんには、チームの遠征も行ってもらいたいと思っています」と工藤監督は話した。金氏は今キャンプでは野手陣の練習を見守り、立花打撃コーチや森ヘッドコーチらとコミュニケーションを深めている。工藤監督はメイン球場での打撃練習には、ほとんど姿を見せないほどで「すべて任せています」と早くも大きな信頼を寄せている。

監督就任6年目。3年ぶりのリーグV奪回を目指す指揮官に頼もしい「懐刀」が備わった。【佐竹英治】

◆金星根(キム・ソングン)1942年(昭17)12月13日、京都府生まれ。京都・桂高校卒業後韓国に渡り、実業団チームを経て82年の韓国プロ野球発足時から指導者に。84年OBベアーズ(現斗山)から17年5月末にハンファを退任するまで、プロ7球団で監督を歴任。07~11年にSKワイバーンズ監督で優勝3回。監督勝利数は歴代2位。野球の神様を意味する「野神」の異名を持つ。05~06年には日本のロッテで1、2軍巡回コーチなどを務めた。