今季8勝を挙げた巨人クリストファー・クリソストモ・メルセデス投手(25)の投球スタイルの源には、今季限りで退団する小谷正勝巡回投手コーチ(74)の助言があった。15日、都内の野球殿堂博物館で「ローソンチケット スピードアップ賞」の表彰式が行われた。メルセデスはセ・リーグ投手の中で最も平均投球間隔(無走者時=9・2秒)が短い投手として表彰を受けた。

表彰式に出席した国際部の津崎勝利参与がメッセージを代読した。

「テンポの速さには自信のある私ですが、2軍で調整していた今年の夏場、巡回コーチの小谷さんからアドバイスをもらいました。テンポのいい投手というのは、ちぎっては投げ、ちぎっては投げするピッチャーのことじゃないんだ。ここぞという時にベンチもキャッチャーも守っている野手も念じた通り、そこに投げて抑えてくれてるピッチャーのことなんだよと言われました。現在は故郷のドミニカ共和国で小谷さんの言葉をかみしめながらトレーニングに励んでいます」

26日には巨人と来季も契約を結ぶことが決まったと発表された。パ・リーグで最も投球間隔が短かったソフトバンク高橋礼は10・0秒で、メルセデスの投球テンポは12球団NO・1になる。「来年はチームからより信頼されるピッチャーになれるように頑張りたいと思います」と恩師の教えを胸に決意を新たにしていた。