「新人馬淵監督」が名将への1歩を踏み出す。東都大学野球リーグ2部の拓大が6日、八王子市の同大野球場で今年の練習始めを迎え、馬淵烈監督(30)が就任1年目をスタートさせた。父は高知・明徳義塾監督の史郎氏。歴代4位タイの甲子園51勝を挙げる偉大な父の背中を追いかける。

「思い切りやれ」。名将からの助言はシンプルだった。「監督を始めたばかりの人と長年やっている人を並べるのは失礼。父親ですけど自分とは全く別の世界」と、参考にすべき指導者の1人と割り切る。経験も実績もまだなく、手探り状態の日々。「いろんな人の話をお聞きして自分の中に取り入れていく。勉強しないといけない立場。聞きたいことは全部聞いて、ですね」。試行錯誤しながら「馬淵イズム」を確立させていく。

選手たちには自立性を求める。「練習をやらされているという感じではなく、自分の考えで、自分で組み立てて。社会に出たら全部自分で決めないといけないですから」。創部100年の節目での監督就任。「情熱を持って選手たちと一緒に頑張ってやるだけ」。5年ぶりの1部昇格へ向けてひたむきに走る。【湯本勝大】

◆馬淵烈(まぶち・つよし)1989年(平元)6月5日生まれ、高知県出身。明徳義塾ではエースで主将。拓大では三塁手。4年秋に24年ぶりの東都2部優勝。シティライト岡山を経て15年から拓大コーチを務め、20年同校監督就任。