日本ハム大田泰示外野手(29)が20日、自身初のゴールデングラブ賞受賞を目標に据えた。

2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で自主トレ後、守備面でのチーム貢献に言及。外野守備で補殺数増と、球際の強さを磨き、昨季以上のパフォーマンスを見せる。年明け4日から17日までのサイパントレで、肉体の下準備は完了。日本一奪回へ、30歳を迎える今季は全ての面で全力を尽くす。

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昨季、自己最多の20本塁打を放った大田が、新たな野望を明かした。「しっかりゴールデングラブ賞も取れるようにしたい」。守備の名手に贈られる、栄誉あるタイトルを目指す考えを初めて公言した。右翼の守備では肩も強く、ファウルゾーンの打球も最後まで追ってスライディングキャッチする。ただ、ゴールデングラブ賞には縁がなかった。受賞するために、何が必要なのか-。

大田 強いて言うなら、補殺を増やしたい。あとはフェンス際だったり、球際だったりを、勝負強く捕れるようにしたい。

昨季の補殺数は5個。パ・リーグでは7位タイだった。強肩であるが故に、相手が進塁を自重するケースもあったが、17年は3個、18年も2個。各年のリーグトップは10個前後で、数字を伸ばせる余地はありそうだ。補殺は印象度も高く、数を重ねるほどゴールデングラブに近づく可能性を秘める。

球際の強さも、より磨くつもりだ。昨季は前半戦終盤に右翼フェンスに体を衝突させながら捕球。腰を痛めたが、ケガを恐れずにダイナミックにプレーできるのも長所。故障しないことを前提に、幅広い視野で守備範囲も広がれば、チームにとっても心強い。

全てはチームの日本一奪回のため。打撃面でも「今年で30歳になるけど、打率も打点もしっかり上げる。まだ成長できる」と気概を見せるが、守備面でも手を抜くつもりはない。春季キャンプでは「チームプレーだったり連係を大事にしたい。ミスがなければ、去年も勝てる試合はあった。チームとしても連係プレーは目がいかないというか…流しがちな練習になることが多い。選手間で1つ1つのプレーを丁寧に確認してスキのない準備をしたい」。

4日から自主トレを行ったサイパンでは、しっかり打ち込んでシーズンを戦いきる肉体の土台を作ってきた。鎌ケ谷でも約3時間、ノンストップで濃密な練習を敢行。「今季は波を少なく、コンスタントに結果を残したい」。攻守でチームを引っ張る覚悟が、できている。【木下大輔】

◆今季のパ・リーグ外野手 5年連続でゴールデングラブ賞を受賞していた秋山がレッズに移籍した。大田のチームメートである日本ハム西川は3年連続で同賞受賞中。過去4度受賞しているソフトバンク柳田のほか、昨季初受賞のロッテ荻野、移籍によって出場機会が増えそうなロッテ福田、西武金子侑、楽天の2年目辰己らも守備に定評がある。