プロ野球DeNAドラフト6位で、青森市出身の蝦名達夫外野手(22=青森大)の1軍キャンプ(沖縄・宜野湾市)スタートが27日、正式決定した。

さらに、ヤクルトのドラフト1位で甲子園準V奥川恭伸投手(18=星稜)との対戦を目標に掲げた。高校球界を席巻した右腕撃破を最初の標的に指名。青森発の「ベイスター」を目指すべく、打撃力にさらなる磨きをかける覚悟だ。   ◇   ◇   ◇

DeNA蝦名が、ドラフト同期のNO・1投手をイメージしながら、スイングに力を込めた。「奥川くんは同じセ・リーグですし、4つも年下ですけれど1軍で対戦したい」。青森大4年秋に18季ぶりの北東北大学リーグ優勝を導いたが、高校、大学を通じて全国経験はない。甲子園のスターとの対決は、大舞台での最初の腕試しにもなる。

同期入団の仲間に積極的に話しかけ、貪欲に吸収しようとする姿勢から、目標は生まれた。甲子園5季連続出場を経験した東妻純平捕手(18=智弁和歌山)からのひと言。「東妻も年下ですけれど、よっぽど自分より高いレベルを知っている。彼が交流もある奥川くんの野球や体のケアに対する意欲、意識の高さ。常に目標がしっかりしていることも聞いた」。目を覚まされた気持ちだった。

入寮直後から1日1000スイングを自身に課した。練習中も200~300。「大学での自分の甘さに気づかされた。振れば振るだけ自信も付くと思う。キャンプまでに『オレはこれだけやってきたんだ』と言えるものを持っていたい」。奥川の右肘違和感による2軍スタートも関係ない。やるべきことを継続するだけだ。

青森大1年秋に打点王。4年春に本塁打王、同秋に首位打者、ベストナインも計4度獲得。50メートル6秒0の快足も武器に、内外野を守れる器用さも兼ね備える。「持ち味はバッティング。フルスイングで広角に長打を打てる打者として活躍したい」。開幕1軍、奥川斬りに向け、必死にバットを振り続ける。【鎌田直秀】

◆蝦名達夫(えびな・たつお)1997年(平9)9月20日生まれ、青森市出身。野内小2年から野内ヤンキースで野球を始め、青森東中では軟式野球部。青森商では高校通算31本塁打。県外の大学、社会人の誘いを地元愛を貫いて断り、青森大進学。大学時代には「青森ねぶたまつり」で、ねぶたの引き手アルバイトも経験。184センチ、87キロ。右投げ右打ち。家族は両親と兄、姉。血液型B。