収穫と課題を得てキャンプ最後の実戦を終えた。日本ハム吉田輝星投手(19)が20日、DeNAとの2軍練習試合(名護)の3回から登板し、1イニングを投げ2安打無失点。連続安打を浴びてピンチも招いたが、直球で三振を奪う場面もあるなど、目標とする開幕1軍へ前進している姿をみせた。

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初の対外試合登板を終えた吉田輝の表情は、曇っていた。「無失点に抑えられたのはよかったけど、甘い部分も目立った。実戦をやってみて課題がどんどん出てきている」。キャンプ2度目の実戦マウンドとなったDeNA戦は、不満が残る内容。降板後の声に力はなかった。

先発で1回無失点だった15日の1、2軍合同紅白戦(国頭)以来、中4日で迎えた登板。先頭の百瀬を右飛に打ち取った後に、連打を浴びた。「簡単にカウントを取りにいってしまった」というボールを、益子は中前へ、関根にも右前にはじき返された。1死一、二塁から桑原を直球で空振り三振、乙坂を三飛に抑えたが「ピンチではなくても、ああいう投球ができるように」と反省しきりだ。

失点は防いだものの、投げた当人が一番、納得いかない16球。直球の最速は球場表示で144キロと、前回登板15日の紅白戦より「4キロ減」。この日の課題に挙げていた細かい制球についても「強い球を投げたいというのと、コントロールをよくするのを同時にはまだ難しかった」と振り返り「なにも意識せずにアウトローに決まるくらい投げ込みをしっかりしないと」と話した。

投球を見つめた荒木2軍監督兼投手コーチも「1軍のレベルにはまだなっていない」と手厳しかったが「良くなっているのは間違いない。少しずつ(状態は)上がってきている」と続けた。沖縄・国頭での2軍キャンプは、21日で打ち上げ。吉田輝は「自分の想像しているようなピッチングができるように投げ込んで、1軍で勝てる状態に上げたい」と、目標の開幕1軍へ1歩ずつ進む。【山崎純一】

◆吉田輝星の1年目 キャンプは2軍スタート。初実戦登板となった2月16日1・2軍合同の紅白戦は、先発し1回を1安打1失点だった。その後、右前腕の軽い張りで、調整メニューを変更。2度目の実戦登板は3月12日イースタン・リーグ春季教育リーグ楽天戦で、4番手で1回を1安打1四球無失点。公式戦初登板は同月19日イースタン・リーグのヤクルト戦で、2番手で2回を2安打3四球1失点。1軍初登板は6月12日広島戦で、先発し5回4安打1失点で初白星を挙げた。