1日、1日を大切に-。巨人坂本勇人内野手(31)が、オープン戦9試合目にして初のマルチ安打を放った。5点を追う3回の第2打席。ソフトバンク先発ムーアの150キロを捉え、左翼線への二塁打とした。日本一のチームに加入した新外国人からチーム唯一の長打を放つと、6回には古谷の155キロを右前に運んだ。「日に日にタイミングは良くなっている」と徐々に状態を上げている。

日に日に調子を上げる。4日の日本ハムとのオープン戦(札幌ドーム)から3戦連続無安打だったが、8日の阪神戦(甲子園)で安打を放った。そして、この日はマルチ安打。オフの自主トレ中にインフルエンザB型を発症し、宮崎キャンプ中ではインフルエンザA型にかかった。休養期間を挟んだことで、出遅れを心配する声もあったが、原監督も「順調に来ていると思います」とキャプテンの仕上がりにうなずいた。

開幕に向けてベストの体で向かうだけ。9日にプロ野球の開幕延期が決定した。「3・20」に照準を合わせていた中、未定の開幕日へ、プロとして、仕上げていくしかない。坂本は「毎日ベストを尽くして、いい準備するだけ」という。言葉通り、途中交代した後は、試合中に1人ウエートルームに向かった。選手会会長の炭谷は「開幕がいつになるかわからないけど、1日1日大切にやっていくだけ。開幕がいつであろうと、1日1日大切にやってベストの状態持っていくだけです」と語った。新たなスタートの日に向けて-。時間を無駄にすることはない。1日、1日を後悔無く生きるだけだ。【栗田尚樹】