調整はシーズンモードだ。広島大瀬良大地投手(28)が7日、マツダスタジアムで再開した全体練習に参加した。キャッチボールなど軽めのメニューで終え、今後の調整の強度は一任されている。チームは3勤1休を予定するも、すでに3月20日にピークを持ってきた右腕はシーズン同様に1週間単位での調整を考えている。まだ見えない開幕に備え、その牙を研ぐ。

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練習後の表情は、シーズン中よりも一段と穏やかだった。大瀬良は4日ぶりにチームメートと再会し、ユニホームを着た練習を再開させた。だが、すでに決まっている“開幕投手”がいつ訪れるか、分からない。見通しが立つのも1カ月先。精神面をいったんリセットしながらも、肉体的なコンディションの維持に努める。

チームはこの日からしばらく3勤1休を基本線に練習を続けていく。ただ、すでに当初の開幕日3月20日にピークを持ってきていた大瀬良は、シーズン中の調整をイメージしている。「本来なら3試合投げて、4試合目に向けて作っているときだと思う。シーズンに入っていることを考えれば、肉体的な余裕はある」。1度仕上げた状態をいったん落として再び上げるのではなく、維持することを選択した。

昨年末に3月20日予定だった開幕投手を告げられ、キャンプ、オープン戦と順調に調整してきた。開幕が不透明になった中でも、同日に行われた中日との練習試合では公式戦さながらの投球を見せた。2試合続けて100球以上を投げ、初めて実戦打席にも立った。「1度(開幕に向けて)つくっているので、また落としてつくりなおすのも大変」。登板日と想定する日にブルペンで投げ込み、そのほかの日は遠投や平地での強めの投球間キャッチボール、短距離走に長距離走とメニューに濃淡をつけていく。

リフレッシュは6日までの3連休で十分だった。愛犬こまちと人けのない場所を選んで散歩に出かけた。だが、自然と長い階段のある道を選ぶなど、トレーニングもかねた。気持ちのスイッチは正式に開幕日が決まらないと上がらないが、技術と肉体はまだ上げられる。いずれ定められる開幕に備え、充実の心技体を整える。【前原淳】