広島4年目の坂倉将吾捕手(21)が28日、昨季パ・リーグMVPの西武森友哉捕手(24)の打撃フォームを参考にしていることを明かした。マツダスタジアムで個人練習に参加。新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が延期された時間を有効活用し、重心を低く構える姿勢に取り組んでいる。守備力プラス、打撃力アップで進化を目指す。

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どっしりと低く構えた姿勢から、鋭い打球がグラウンドを飛び交った。坂倉が、昨季パ・リーグの首位打者でMVPを獲得した西武森を参考に、重心を低くする構えに取り組んでいる。「見よう見まねで打ってみて、どんな感じか確かめているところです」。一流打者を手本に、打撃力アップへ貪欲に挑んでいる。

開幕延期で生じた時間を有効に活用している。YouTubeなどで、さまざまな選手の打撃フォームを探しているうちに、森のフォームに行きついた。「極端に(重心を)深くしてるつもりではやっていない。ちょっとドシッとした感じが出ればいいかなという感覚で構えています」。実戦から遠のく中で「今はいろんなことをできて、いろんな発見ができる時期。その中の1つです」と前向きに取り組む。

森は山賊打線のクリーンアップを任され、昨季は打率3割2分9厘でパ・リーグ捕手では1965年(昭40)の野村克也以来54年ぶり2人目の首位打者を獲得。23本塁打、105打点もキャリアハイの活躍を見せた。同じ捕手で、同じ左打者の森について坂倉は「打率も残して、本塁打も20発以上打っていますし、その中で打点もしっかり取っている。状況に合わせた打撃と技術を持たれている。そこはすごく尊敬しています」と目を輝かせた。

捕手としての出場機会増を狙い、守備でも毎回の練習後に居残りで実戦を想定した盗塁阻止の送球練習を欠かさずに行う。自宅でも春のオープン戦や練習試合で出た収穫や課題などをノートに書き続け、実戦に備えている。4年目の若武者が「打って守れる捕手」として勝利へ貢献するべく、ひたむきに汗を流し続けていく。【古財稜明】