Vイメトレは完璧! 阪神原口文仁捕手(28)が29日、15年ぶりのリーグ優勝に向けたイメージトレーニングの存在を明かした。甲子園で自主練習後、オンライン取材に対応。チームの活動休止中に03年リーグ優勝の瞬間などを自宅で観戦し、気持ちを奮い立たせていたという。昨季は大腸がんから再起したドラマチック男が、ファンとの歓喜を待ちわびた。

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原口は自宅にいながら、リーグ優勝のイメージを頭の中で描いた。チームの活動休止期間中、自宅テレビで過去の阪神の試合やWBCの試合などをチェック。新型コロナウイルスの影響で開幕延期が続く中、興奮の名場面を振り返ってモチベーションにつなげた。最も印象に残っている試合には、迷わず03年9月15日の広島戦を挙げた。

「甲子園にあれだけ満員のお客さんが来ていただいた中で野球をやっているテレビ(映像)を久しぶりに見たので、すごく興奮しました」

5万3000人が本拠地に詰めかけた一戦。劇的なサヨナラ勝ちを収め、約2時間後に優勝が決まった。「あの興奮を味わいたいという気持ちで見ていました」。高鳴る気持ちを抑えつつ、奇跡の男は笑顔を見せた。

昨季は大腸がんから不屈の闘志でカムバックを果たした。1軍復帰1打席目でいきなりの激走二塁打や、CM映像でも使用されている代打サヨナラ打。原口は幾度となくミラクルを起こしてきたドラマチックな男だ。「お客さんの応援は選手にとって力になると思います。その中で活躍している選手をテレビで見て、早く野球をやりたい気持ちになりました」。練習試合での無観客も経験し、声援のありがたさも改めて感じたという。

ファンと歓喜を分かち合うため、今は黙々とレベルアップに励む。この日はフリー打撃やブルペンで投手陣の投球を受けて約2時間半、汗を流した。打撃では強い打球を心がけ、守備では捕手の動作を一から再確認。オープン戦で見つかった課題の克服、技術向上に時間を割いている。

選手、ファンの悲願に向かって-。「開幕を待ち望んでくれているファンの方々もモヤモヤしていると思います。けれど、僕たちも開幕がいつになるか分からない中で、最高のスタートを切れるように選手みんなで準備しているので。もう少しだけ待ってもらって。開幕した時には選手もファンも、思いきり楽しめるよう、いい準備をして待っていてほしいなと思います」。心は熱く頭は冷静に、メッセージを送った。【奥田隼人】