24年前の1996年5月12日、ロッテのエリック・ヒルマン投手が5試合連続完投勝利を達成した。同投手はこの年14勝をマーク。オフに金銭トレードで巨人に移籍した。2年5億円(推定)という破格の年俸で巨人入り。しかし「肩に小錦が乗っているようだ」と迷言を残すなど左肩痛に苦しみ、わずか2試合に登板したのみで98年に退団した。
【復刻記事】
ロッテのエリック・ヒルマン投手がオリックスを相手に8安打1失点完投勝利をマーク。これで、開幕から3連敗の後、チームでは1993年の小宮山以来の5試合連続の完投白星だ。勝利の瞬間、グッと左こぶしを突き上げ、体全体で喜びを表した。
「イチローのいるオリックスはいいチームだからね。大事な試合に勝ててうれしいよ」。今季本拠地初勝利で花を添えた。「5試合連続? 1イニングずつの積み重ねだよ。でも、最後までマウンドにいることはピッチャーにとって一番気持ちいいことだからね」。208センチの左腕はこう言うと、一塁側スタンドのファンの呼びかけにウイニングボールを投げ入れた。
負けられなかった。相手先発は、先月7日と同じ星野。前回の対決はヒルマンが9回2死から高橋智に決勝ソロを浴びてチームは3タテと沈んだ。試合後には「江尻やめろ」コールも起こった。それだけに、本拠地3連戦の勝ち越しをかけたこのゲームは、ベンチもヒルマン自身も落とすわけにはいかなかった。
その気迫が9回の抗議になって表れた。2死から、中島に右翼線へ運ばれると、ヒルマンは桃井一塁塁審のフェアの判定に詰め寄った。「ラインの内側に落ちて見えた」と一塁・仁村に言われて冷静さを取り戻したが、今季初めてという抗議シーンだった。
最速139キロもシンカー、チェンジアップを織り交ぜ、イチローには最後まで満足なバッティングをさせなかった。内角攻めで1、2打席連続でそのバットをへし折った。2死一、三塁の9回のピンチも123キロのシンカーで二ゴロに料理とほぼ完ぺきに封じた。前日11日の3万5000人に続き、この日も大入り3万2000人が入った。江尻監督は「どうしても勝ち越したかったからね。大勢のファンにも喜んでもらえたでしょう」と満面の笑みを浮かべた。
<この日のオリックススタメン>
1(右)イチロー
2(一)福良
3(中)田口
4(左)高橋智
5(三)本西
6(指)ニール
7(遊)小川
8(捕)中島
9(二)白井
先発投手=星野
<ロッテスタメン>
1(右)平井
2(左)平野
3(遊)堀
4(三)初芝
5(一)仁村
6(二)南渕
7(指)佐藤
8(捕)田村
9(中)諸積
先発投手=ヒルマン
※記録、表記は当時のもの



