中日のドラフト5位岡林勇希外野手(18)が広島戦(マツダスタジアム)でプロ初安打を放った。入団後に投打二刀流から決別した俊足好打の18歳が、ドラフト1位石川昂に続いて快音を響かせた。

2点を追う7回。武田の代打として先頭打者として登場。広島2番手菊池保のフォークに2度空振りしたが、カウント1-2からの4球目フォークをとらえ右前に運んだ。「必死でした。何とかしようと思った。無我夢中で打ちました。ヒットが出たなって気持ちはあったけど、走塁ミスはできないので気持ちを切り替えました」。2死満塁からビシエドの2点適時打で同点に追いつき、チーム連敗の危機を救う貴重な1点につながった。

プロ3打席目。広島の本拠地で打った初安打は感慨深い一打になった。兄飛翔(つばさ)さんは、17年に菰野から育成ドラフト1位で広島に入団。支配下登録されることなく、岡林と入れ替わりで19年オフに現役引退した。「広島で打ったことはずっと残る。打てて良かった」。

石川昂は5回に代打で出場し、先発K・ジョンソンから4試合ぶりとなる右前打を放った。「(石川は)代打で出てヒットを打つのはすごいと思う。見習っていきたい。1本出たけど、次の打席は見逃した。反省して次につなげたい」。そろい踏みを決めたライバルに刺激を受け、メモリアルの球場を後にした。【伊東大介】

▽中日与田監督(引き分けで4カード連続の負け越しを阻止)「みんな、よく追いついてくれた。(岡林の安打に)しぶとさが非常にいいので(1軍に)上げている。ああいうところでよく打ってくれた」

◆岡林勇希(おかばやし・ゆうき)2002年(平14)2月22日、三重県生まれ。菰野では投打で活躍し、高校通算21本塁打。19年ドラフト5位で中日入団。キャンプ前に野手登録が決定。175センチ、74キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸550万円。