楽天ドラフト6位の滝中瞭太投手(25)がプロ初登板初先発に臨み、5回1/3を80球、5安打1失点でマウンドを降りた。プロ初勝利は逃したが、強力ソフトバンク打線を相手に力をみせた。

立ち上がりからストライク先行で打ち取った。1回は周東、栗原、中村、2回は柳田、デスパイネ、グラシアルを、ともに3者凡退に抑えた。最速148キロの直球に100キロ台の縦割れカーブ、ツーシーム、カットボール、フォーク、チェンジアップと多彩な変化球を織り交ぜた。

1点を先制してもらった直後の3回には、1死から甲斐に初安打を許し、犠打で2死二塁と得点圏に走者を置いたが、周東を左飛に打ち取り、無失点でしのいだ。

5回にも2死二塁とピンチを招き、川瀬に右前打を打たれたが、右翼手ロメロの本塁への好返球で二走を刺し、同点を免れた。

6回は先頭周東に四球。二盗と犠打で1死三塁としたところで、2番手酒居へマウンドを譲った。酒居が同点打を打たれ、勝利投手の権利は逃したが、力投をみせた。

滋賀・高島市出身の右腕は高島高、龍谷大、ホンダ鈴鹿から1度の指名漏れを経て、19年ドラフト6位で楽天に入団。イースタン・リーグでは9試合に登板し2勝1敗、リーグ2位の防御率1・72を記録し、1軍のマウンドをつかんだ。

「やってきたことはできたと思います。緊張感はありましたけど、友達も見に来てくれてましたし、監督からは『初登板は最初で最後だから』と声をかけていただき、とにかく楽しもうと思って投げました」と初登板を振り返った。

今後に向けて、「フォアボールより打たれた方がいいくらいの気持ちでしたね。甘いボールもありましたけど、よく守ってもらいましたし、とにかくゲームを作れたことは良かったと思います。ただ、イニングの途中で降板になってしまったところは課題だと思うので、そういうところを修正していきたいです」と、反省を忘れなかった。