虎の大野雄アレルギーが再発した。散発2安打で二塁すら踏めず、今季3度目の対戦で初黒星を喫した。緩急自在の投球に翻弄(ほんろう)され、矢野監督は「横から見ているよりも簡単じゃないんだろうなとは思って見ているけれど、それにしてもね」と悔しさをにじませた。

打線改造も実らなかった。「(糸井)嘉男もずっとというわけにもいかないので。そういう中でいるメンバーでどうしていくかというのを考えた結果」。ここ7戦で3番だったベテラン糸井に休養日を設け、大山を今季2度目となる3番で起用した。好調の原口を今季初めて5番に入れ、サンズと新クリーンアップで臨んだ。しかし、この3人が計9打数無安打と封じられた。ノーヒットノーランを食らった19年9月14日を思わせる貧打ぶりだった。

今季阪神戦は2戦で0勝1敗だった天敵を目覚めさせた格好だ。これで通算の対戦成績は28戦5勝13敗、防御率は1・91とされた。なかなか固定できない「3番問題」も対策が急がれる。首位巨人を追走する中で、打線の活性化は必要不可欠だ。【奥田隼人】

阪神井上打撃コーチ(大野雄について)「攻めていこうという気持ちはあるけれど、完全に攻めの投球をされてしまった。球種や狙い球を絞る状況まで持っていけなかったというのが、正直なところです」