日本ハムは21日、ソフトバンク23回戦(札幌ドーム)に敗れ、4年連続のV逸が決まった。2回に1点を先制したが追加点を奪えず、5回に逆転を許すと追いつくことができず、終盤も失点を重ねる完敗。投打に粘りきれず、勝ちきれない今季を象徴する敗戦で、16年以来のリーグ制覇の夢はついえた。

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優勝の可能性が消えた瞬間、栗山監督は即座に脱帽し、グラウンドに一礼。きびすを返してベンチ裏へ消えた。12年の監督就任以降、ワーストとなる4年連続のV逸となった。

栗山監督 自分の力のなさ。不徳のいたすところ。しっかり受け止めます。オレの責任なので。

勝ちきれない今季を凝縮した試合展開だった。2回は相手のミスから1点を先制。なお無死一、二塁の好機だったが、清宮、ビヤヌエバ、清水が凡退。畳み掛けることができなかった。打線は中田、大田、西川、近藤、渡辺。打線の核であるビッグ5を擁し、チーム打率はリーグ2位でも、打線全体で試合を左右する大事な場面での勝負弱さは、大きな課題だ。

流れをつかめず、歯がゆい展開となった。5回は周東に同点適時三塁打を打たれ、続く中村晃の右犠飛で勝ち越しを許した。俊足にかき回された一方で、1点を追う6回は三塁走者の中田が右飛でタッチアップも本塁憤死。周東が生還した場面と同じような飛球だったが、明暗が分かれた。

7回は継投も決まらなかった。その裏にソフトバンクの中継ぎ陣に踏ん張られたのとは、あまりにも対称的。強みだったブルペン陣が安定感を欠いたシーズンを象徴するように、終盤は力なく失点を重ねた。5回までは接戦も、中盤以降はスタミナ切れしたかのような戦いぶりだった。

コロナ禍による過密日程で、誰もが経験したことがない難しいペナントレースではあった。栗山監督は「それは、どのチームも一緒だから」。選手のコンディション第一でマネジメントしてきた栗山監督だったが、主力を休ませても取って代わるような新戦力の台頭も少なかった。苦しいかじ取りとなったことは否めず、過去2年と同様にシーズン残り2カ月で失速。9月以降のチーム成績は43試合で17勝25敗1分け。リーグ最下位という数字が現実を物語る。

残りは15試合ある。栗山監督は「(必死に戦う)姿を見せるのは変わらない」と言った。このまま終わっては、寂しすぎる。来季につながる、姿を見せてほしい。【木下大輔】