藤川が現役生活にピリオドを打った。歴代4位の通算243セーブを挙げたが、藤川と言えばやはり三振だろう。17年に史上最速の771回2/3で通算1000奪三振を達成。スピード2位の千賀(ソフトバンク=855回1/3)には80回以上の差をつけている。1000奪三振以上で完投0は藤川だけで、奪三振の内訳は先発19試合で92個、救援763試合で1128個。救援で奪った三振は金田(巨人)の1055個を上回りプロ野球で最も多い。

通算782試合に登板した藤川は、935回1/3を投げて奪三振率が11・74。通算500試合以上では五十嵐(ヤクルト)の9・56、通算900回以上でも野茂(近鉄)の10・31を抑え、奪三振率1位だ。奪三振数が投球回数より多いのが実働17年間で15度あり、04年からは奪三振率10・00以上を続けた。奪三振数が投球回数を上回ったシーズンを調べると、藤川の15度が最も多く、2位は五十嵐の10度。佐々木(横浜)は実働12年間のうち9度で、メジャーから復帰後は上回れなかった。藤川のNPB復帰は36歳の16年だったが、成績が落ちる選手の多い36歳シーズン以降に奪三振率11・33を記録している。

防御率も自慢の1つ。野口(阪急)や稲尾(西鉄)らとは投球回数に差があり過ぎるため、単純に比較はできないが、「投高打低時代」の投手が上位を占める中、藤川の2・08は通算500試合以上で4位、通算900回以上では7位になる。同時代にセットアッパー、抑えで競った岩瀬(中日)の防御率2・31は500試合以上の10位、900回以上では20位。セーブ数は負けたものの、奪三振率に加え、防御率もライバルに勝った。【伊藤友一】

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