「巨人・桑田」が5226日ぶりにジャイアンツ球場に帰ってきた。桑田真澄1軍投手チーフコーチ補佐(52)が14日、新人合同自主トレを視察。06年9月24日の2軍戦で巨人ラスト登板を飾った思い出の地に指導者として初めて足を踏み入れた。表情が硬い新人の姿に、若き日の記憶がよみがえる。「僕自身そうだったように期待と不安が大きかったんじゃないかという思いで見ていました。久しぶりに(球場の)中に入って勝負の世界の緊張感は少し感じました」と目尻を下げた。

初仕事で、引退後に培ってきた科学的な見地と経験に基づく指導方針を示した。ドラフト1位平内の球の強さを評価しつつ「1軍に上がる早さより、しっかり土台作りをして1年でも長く活躍してもらいたい」と強調。自身も経験したトミー・ジョン手術を昨年6月に受けたドラフト2位山崎伊織投手(22=東海大)には「(執刀医の)ドクタージョーブによく言われたがリハビリ期間の長さを克服しないと本当の復活はできない。精神的な苦痛がすごく大きいと思うのでサポートできれば」と誓った。

他の首脳陣には「学ばせてもらいながら、情報交換もしてチームの課題と強化策を一緒に考えていきたい」とあいさつした。春季キャンプは2月1日の初日から指導にあたる。「どんな形でもいいので力になりたい。現役時代は自分を高めるために全力を尽くしてきたが、これからは全体を見てチームの強化策を考えていきたい」と、決意を新たにした。【浜本卓也】