安芸市もショック! 阪神は20日、1軍の沖縄・宜野座と同じく、高知・安芸での2軍キャンプを当面の間、無観客で実施すると発表した。新型コロナウイルスの影響で入場制限や事前予約制などで有観客実施を目指していたが、全国的な感染拡大状況や自治体と協議の結果、開催57年目で初めて無観客が決まった。

キャンプ関連を担当する同市生涯学習課の中西宏文さん(45)は「今の感染状況を見ますと、仕方ないという気持ち、寂しい気持ちがあります」と肩を落とした。春季キャンプは1965年(昭40)にスタート。掛布や岡田、真弓、バースらで導いた85年日本一の土台となった。03年から1軍キャンプ地が沖縄・宜野座に移ったが、2軍は安芸でキャンプを張ってきた。

昨秋のキャンプもコロナ禍で中止となっており、無観客が市全体に及ぼす影響は大きい。近年も春は毎年1万人以上のファンが球場に詰めかけており、同期間中は観光業など「キャンプ需要」が潤う。大きな経済効果をもたらし、当てにする収入も大きかっただけに、中西さんも「宿泊業者さんや飲食店の方も、大きな打撃だと思います」と多方面での収益減を心配した。

現在は万全な態勢で選手を迎え入れるため、球場施設の食堂にアクリル板を設置するなど、感染防止対策の準備を進めている。キャンプは3月1日までの予定で、感染拡大が収まれば、有観客になる可能性も残っている。中西さんは「その時の感染状況も含め、総合的に判断しなければいけない。コロナが落ち着いてくれているのを願うばかりです」と、1日も早い収束を切望した。【奥田隼人】

 

○…阪神が1軍キャンプを張る沖縄・宜野座村も、無観客に複雑な思いを明かした。宜野座村観光商工課の担当者は「緊急事態宣言ですので、こちらとしては受け止めるような形です。例年たくさんのお客さんが来て観光資源になっていましたので、村としても痛いです」と説明。昨年は約1カ月間で約8万800人が来場したが、それが0人になる。同県は19日に新型コロナウイルス感染拡大の影響で独自の緊急事態宣言を発令しており、キャンプ需要を見込んでいた県内全域で大きな影響が出そうだ。

 

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