北海道6大学野球リーグ1部に所属する北海道教大旭川が、コロナ禍で新たな取り組みを始めた。

1月25日に月刊誌「カチ上げ」を創刊。B4で両面カラー印刷の創刊号(2月号)を700部刷り、同日から学内で配布している。取材・編集を手掛けた岡田大輝内野手兼学生監督(3年=札幌東)は「コロナで地域のお店が困っている。地域のお店を教育大生に紹介することで部の活動も知ってもらう機会にしたかった」と意図を明かした。

コロナ禍で新入生の交流の場が減り、感染拡大に伴い野球部もリーグ戦の一部出場見合わせなど影響を受けた。生活費や部費などアルバイトで工面していた選手の仕事もなくなった中で、将来的には広告を募り「部の資金にしたい」。大学周辺の学生が通っていた飲食店などで客足が減っている現状にも胸を痛め、地域に元気を与えようと立ち上がった。

昨年末に創刊に向けて始動。もう1人学生監督を務める長田風馬外野手(3年=旭川西)と2人で、学生に人気の店の取材や撮影、編集を敢行。誌面には紹介店舗の割引券を付けるなど実用的にしている。残りの部員も授業前に学生に配るための作業を手伝い、1200人が在籍する同大の過半数に行き渡るように動いている。

春休み中の3月は発行しないが、4月以降は毎月の発行を予定している。地域の飲食店紹介を軸に、野球部の活動の様子やリーグ観戦ガイドの掲載も構想中だ。タイトル「カチ上げ」は「勝負に勝つ」「価値を上げる」「野球用語のカチ上げ=本塁打を狙う」の意味を込めた。岡田は「地域を盛り上げて、地域から愛されるチームになりたい」。バットをペンに持ち替えて、地域と野球部の価値を向上させていく。【浅水友輝】