G2連倒でのし上がる! 広島ドラフト3位大道温貴投手(22=八戸学院大)が27日に巨人との練習試合(沖縄セルラー那覇)に登板する。実戦3試合連続で無安打無失点を続ける春季キャンプの集大成となる。巨人とは2度目の対戦。主力がそろうセ界王者を封じ込み、セットアッパーに名乗りを上げる。

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キャンプ期間中、最後の実戦登板を前にしても、新人大道は落ち着いていた。チームづくりが本格化する中、存在感は日に日に増している。この日の練習前には佐々岡監督から同期2投手とともに「3人も競争。明日、明後日の試合でしっかりいいものを出して行け」と伝えられた。厳しい生き残り争いは、ポジションを勝ち取るチャンスでもある。

相手は巨人。17日以来、早くも2度目の対戦にも、大道には異なる感覚がある。「菅野さんが先発なので、見られるのが楽しみです。あっちもメンバー(主力)が合流してて、どこのチームも最近フルメンバーが来る。やることは変えずにやっていきたい」。昔は東京ドームに観戦に行くほどの巨人ファン。前回はいなかった坂本や丸らS班との対戦に、自然と気持ちも高ぶる。

注目度が高まれば高まるほど力を発揮する。プロ入りしてから常にトップギアで走ってきた。初めて打者を相手にした4日のフリー打撃では正随のバットをへし折り、8日はシート打撃で鈴木誠や新外国人クロンを抑えた。実戦初登板となった12日紅白戦から練習試合2試合(巨人、阪神)も、すべて1回を無安打無失点。21日の阪神は3者連続三振で、対外試合2試合で5三振と“ドクターK”ぶりを発揮する。

セ界王者を2試合続けて抑えることができれば、中継ぎ陣の中での序列も一気に上がってくる。「見てて気持ちのいい投球で抑えたいと思います。(無失点投球を)続けられるなら続けていきたい」。広島の勝ちパターンはまだ誰1人、決まっていない。チーム内競争を活性化させた新人右腕が、役者がそろった巨人打線を封じれば、ブルペン陣の主役候補に一気に駆け上がる。【前原淳】

◆大道温貴(おおみち・はるき)1999年1月20日生まれ、埼玉県出身。父親の仕事の関係で移住したシンガポールで小学2年から野球を始め、埼玉・八幡木中では軟式野球部に所属。春日部共栄ではエースとして3年夏の埼玉大会でベスト4。甲子園出場経験はなし。八戸学院大では1年春からベンチ入りし、北東北大学リーグ通算22勝。端正な顔立ちから「快速王子」の異名を持つ。180センチ、80キロ。右投げ右打ち。