日本ハム吉田輝星投手(20)が「オトナの投球」で、開幕ローテ入りへ前進した。27日、DeNA戦(名護)に3番手で登板。本調子ではない中、4回2安打無失点とアピールした。次回は6日からの巨人戦(札幌ドーム)で登板予定。プロ3年目、二十歳となって心身ともに成長した姿をマウンドでも示す。

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時折、小雨が降る不安定な天候のように吉田は悩ましげだった。「試合前から、調子が良くなくて。直球の調子が良くない。体が重い日」。キャンプ終盤の疲労も重なり、悪コンディションに苦しんでいた。6回の先頭宮崎にいきなり左翼頭上を越える二塁打。走者を背負ったが、意地で無失点で切り抜けた。葛藤しながら迎えた4イニング目の9回。活路を見いだした。

きっかけは1死を取った後、神里への初球だった。カウントを取るため思い切り、ど真ん中へ投じた直球は「今日の100%」。差し込まれたような打者の反応に、決意した。「意外と、いけそうだな」と全7球を直球で3者凡退。「力まない勇気。調子が悪いときは力んでしまう。逆に指にかかった、いい真っすぐがいくことがあると今日、感じた」。4回2安打無失点で結果を残した。

昨オフから調子の波にとらわれない投球が目標だった。試合中は初めて組んだルーキー古川と「両サイド、うまく突いていこう」と話し合い、本調子でない中でも「0」に抑えた。古川は「9回の真っすぐは、すごく良かった。低めの直球も、伸びてきていた」と驚く。栗山監督は「最後のような真っすぐが、もっと投げられるはず」と期待を込めた。

成人を迎えたプロ3年目、心に余裕が生まれた。1、2年目はガムシャラに目の前の課題に立ち向かった。今年は初のキャンプ1軍で上沢や宮西ら、先輩投手や野手の姿に「考えなきゃいけない」と感じさせられた。「プロのレベルになじめていなかったのもあったが、ちょっとずつ分かってきた」。心身で「オトナ」への成長を実感している。

次戦は3月6日からの巨人戦(札幌ドーム)の予定。「点は取られていないけど、自分らしさを出しながら抑えないといけない。次の試合までに、しっかり調整したい」。開幕ローテ入りへ、慢心なく突き進む。【田中彩友美】

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