阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(21=近大)が、ソフトバンク石川柊太投手(29)とのモノノフ(ももいろクローバーZファンの通称)対決でオープン戦1号ソロ本塁打をたたき込んだ。

3番左翼でスタメン出場し、1回2死走者なしで打席に立った。1球目146キロ直球をファウルし、2球目の145キロ外角直球を高々と打ち上げ、滞空時間の長い弾道で左翼テラス席へ運んだ。「投球テンポの速い投手なので、構え遅れのないように意識しました。速い真っすぐをしっかりと仕留めることができてよかったです」とコメントした。阪神の新人がオープン戦初打席で本塁打を放ったのは87年3月1日阪急戦での八木裕以来の快挙だ。

ファンの前で初めて立つ初打席は近大時代に「モノノフ対決ができれば。あのパワーカーブを」と夢見た初対決となった。19年12月、大阪のももクロのライブ会場で偶然会った。佐藤輝が石川の姿を見つけて「近大で野球をしています、佐藤です」とあいさつ。大学生憧れのプロ野球選手として、2ショットに収まった。ライブに通うひとりのファンから、野球で成績を残し、メンバーに認知される。同じモノノフとして、石川はプロ入り前から憧れの存在だった。

ペイペイドームは小6だった10年冬に「NPB12球団ジュニアトーナメント」にタイガースジュニアとして出場して以来。当時は右肘を痛め、打席に立てずランナーコーチを務めた悔しい思い出の場でもある。

▼ルーキー佐藤輝が1回にオープン戦初打席で本塁打。阪神の新人がオープン戦で本塁打を打ったのは、15年3月3日ソフトバンク戦の江越以来。新人のオープン戦初打席本塁打は18年2月24日巨人戦の楠本(DeNA)以来で、阪神では87年3月1日阪急戦の八木以来34年ぶり。