好発進。開幕投手の広島大瀬良大地投手(29)が6日、オープン戦の開幕投手を務めた。マツダスタジアムでヤクルト戦に先発し、4回を2安打無失点。直球は最速146キロを計測し、得意のカットボール以外の球種も効果的に使った。大役が決まって初めての登板で無四球4奪三振のおまけつき。3年連続開幕戦勝利へ大きな弾みをつけた。

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自分の力で「3年連続開幕投手」の称号にふさわしいことを証明した。真っすぐと得意のカットボールでヤクルト打線を押し、改良を重ねるフォークを積極的に投じた。4回先頭坂口に対し、追い込んでからのフォークは捕手の1メートルほど手前でバウンド。それでも2球続けたフォークは膝元からスッと落として空を切らせた。2死後、4番の村上には真っすぐで追い込み、最後は117キロのカーブで空を切らせた。調整登板ながら、投球の幅を感じさせた。

立ち上がりはわずかに力みが見られた。1回、初球から引っかけたようなボール球が2球続き、真っすぐが浮く場面も見られた。昨季の最終登板となった9月5日DeNA戦以来となる有観客のマウンド。「お客さんが入って、沖縄の試合とは違った空気もあった」。わずかに高めに抜けても力とキレでファウルにさせ、3者凡退で滑り出した。

2回は無死一、三塁とされたが、宮本を得意球カットボールで見逃し三振。続く西田もカットボールで遊ゴロ併殺に打ち取った。尻上がりにキレだけでなく、精度も上がった。3回以降は3三振を奪うなど、4回まで完全投球でオープン戦初登板を締めくくった。結果だけでなく、内容も伴う投球に「このまま調整していって精度を上げていきたい」と手応えを口にした。

大役を託した佐々岡監督も「あとは細かいコントロールを修正していってくれればいいくらいで、順調だと思う」と信頼を高めた。調整登板はあと2試合。大瀬良は「課題をつぶしていく中で、うまくいかない時もあると思う。そうなったら、そうなった時なりに抑えていく、そういう形をまた新しく見つけていきたい」とキリリ。もはや、手術の不安など感じられない。新たな可能性を感じる53球だった。【前原淳】

▽広島会沢(大瀬良について)「真っすぐを多めに投げられたし、(多めに)投げられるということは状態がいいということ。いろんな球種を使えたのも良かった。今日の投球は2人でしっかりと、いい収穫になったと思います」

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