日本ハムのドラフト6位今川優馬外野手(24=JFE東日本)が“本拠地初安打”を放った。7日、巨人とのオープン戦(札幌ドーム)に「6番左翼」でフル出場。2回1死の第1打席で左前打を放った。故郷の札幌で家族、約束を交わした友人が見守る中、躍動した。

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持ち前の朗らかで、明るい心持ちが、結果に結び付いた。2回1死の第1打席。今川が“本拠地初安打”を放った。カウント1-2からの4球目、高橋の高めに浮いたチェンジアップ116キロを引っ張り、三遊間を破る左前打。「ファイターズの一員になったんだなと、また実感が増えた」。少し言葉を詰まらせ、瞳を潤ませた。

興奮の本拠地デビューから一夜明け、悔しさを晴らした。札幌出身。6日巨人戦では代打出場。捕邪飛に倒れ、守備でも苦戦した。日本ハムのファンクラブ会員として、スタンドから見ていた光景とは別世界だと痛感。「今日は絶対、やってやる」と気持ちを強く持って、臨んだ。

家族の力を受けて、奮起した。左翼席では両親らが観戦。前夜は家族8人のグループラインで「打てるように願っているよ」などのメッセージが寄せられた。試合前の円陣では声出し役で、家族が来ていることをチームメートに宣言するなど、気合を高めて挑んだ。「いいところを見たいと言っていた。次は本塁打を」と次の目標を掲げた。

友人の夢をかなえた。登場曲には札幌発のパンクバンド、Dr・NY(ドクターニューヨーク)の「フルスイング」を使用。ボーカルのノブホとは小学生らを対象とした野球スクール、ファイターズ・ベースボールアカデミー時代からの友人でミュージックビデオにも出演。「プロ野球選手になって、いつか登場曲で使ってくれ」という約束を果たした。

栗山監督は「まだまだ1、2軍を行ったり来たりしながら最後まで(見極めて)いく。メンバーに残れるように期待しています」と今川や宮田、細川ら含めて、若手の猛アピールを願った。節目を飾ったが、プロの道は始まったばかり。今川は「まだまだ自分のレベルの低さを思い知った。もう1回、鍛え直してきます」。さらに大きくなって、故郷に帰ってくる。【田中彩友美】

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