打って走って、チームを引っ張る姿を古巣に見せた。DeNAからFA加入した巨人梶谷隆幸外野手(32)が、移籍後9打席目で初安打となる1号満塁本塁打を放った。4点リードの7回2死満塁、笠井の初球151 キロ 直球を迷わず強振。右翼スタンドに放り込んだ。驚きの表情を見せながらダイヤモンドを一周。ハイタッチを交わすと自然と笑みがはじけた。「ヒットも出てなかったので、早くチームの一員になりたくて。気持ち良かった」。移籍後初安打が満塁アーチは球団初。堂々と名前を刻んだ。

18歳から14年間在籍した古巣との開幕戦を前にしても、不思議と緊張はなかった。26日の開幕戦前の試合前練習では、三塁側ベンチ前でストレッチを行う宮崎、大和に歩み寄り談笑。初めて敵として見た古巣のユニホーム姿に「今までずっと在籍していたチーム。懐かしくもあり、さみしくもあり、いろんな感情ですかね」としみじみ言った。

勝負になればそんな思いは関係はない。1回の先頭。京山の149 キロ 直球を見極め四球で出塁し、次打者若林の2球目に二盗。2死二、三塁となり、暴投の間に先制のホームを踏んだ。再び先頭の4回も四球から二盗を決め、リードオフマンとして足でもかき回した。「粘ってヒットより粘って四球が一番うれしい。足でもいいところを出して、打てなかったらフォアボールという打席を増やしていきたい」とうなずいた。

ユニホームは変わっても、変わらないものもある。白木色のバットのグリップには白色のグリップテープがクロスして巻かれている。昨季、ラミレス前監督と話し始めたもの。元々は巻いていなかったが「グリップがしっかり利く。ちょっと1枚太めにしたいなと」。昨季はリーグ2位の3割2分3厘をマーク。オールドスタイル、打撃練習での逆方向打ち。良かったものは継続する。

理想の1番像がある。「丸みたいにしっかりボールを選べて、甘い球は打っていく。目指していきたい」と1学年下で同じ外野手を挙げた。巨人の先頭に立ち、荒々しく斬りかかる。【久永壮真】

▽巨人原監督(梶谷の活躍に)「いい働きをしている。本人も忘れられない1本になるでしょうし、積み重ねていってもらいたい」

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