取手が強打を爆発させて17安打を放ち、毎回の14点を挙げて「春の日本一」を手にした。3-3で迎えた3回裏にビッグイニングを作った。相手が2番手投手に代わった直後、4番直井瞳和(とわ)主将(3年)の左前打を皮切りに、4安打3四球に、2番中里駿介(3年)の振り逃げなど相手のミスもあって打者11人で一挙6点を挙げた。4、5回には2死からの連打で加点、6回には5安打を集中してダメ押しの3点。投げては、先発藤田一波(かずは)、6回から坂本慎太郎の2年生リレーで東練馬を4失点に抑え、快勝した。

「不思議です。ちょっと信じられない」と、石崎学監督はあまりの大差優勝に少しぼう然としていた。「この代は史上最弱と言われて、心配したOBたちがいつも練習に駆け付けてくれた。今大会も『1つ勝てればいいよね』と言って来ましたが、一気に伸びた子が多かった」と、子供たちの成長は監督の予想をはるかに超えていた。

最優秀選手賞を獲得した坂本は「自分のベストを出そうと思って、出せた。特に準決勝の佐倉戦(完投)はこれまでのベストピッチングでした」と振り返った。準々決勝の新潟戦で最終7回2死から起死回生の逆転サヨナラ2ランを放ってチームに勢いをつけた吉田大吾(3年)は「あの1発で優勝できたと思っています」と笑い、直井主将は「最弱世代と言われた自分たちでも全国制覇できるのかと思っていたけど、監督の言うことを聞いて、1つ上の先輩たちが練習で助けに来てくれて優勝できました」と周囲に感謝していた。