セ・リーグ首位打者の広島菊池涼介内野手(31)が、決勝の2号ソロを含む3安打でチームを連勝に導いた。

DeNA戦の1点を追う3回。先頭安部の同点1号ソロを皮切りに、2死から菊池涼の左越えソロで勝ち越し。5回には坂倉がプロ初の満塁弾を放ち、今季最多3発の猛攻で2カード連続のカード勝ち越しを決め、単独首位をキープした。19年9月15日以来566日ぶり、佐々岡体制では初の貯金「3」を手にした。

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カープファンで赤く染まる敵地の左翼席に、3本のアーチがかかった。1点を追う3回、先頭安部が左中間への同点弾で号砲を鳴らすと、「安部に続いたという感じ」と菊池涼が2死から詰まりながらも左越えに勝ち越しアーチ。最後は坂倉が5回2死から左中間へプロ初のグランドスラム。今季最多1試合3発の“ファンサービス”で、チームに連勝をもたらした。

V弾を放った菊池涼の打棒が止まらない。初回に中前打、7回には二塁打を放っており、開幕から8試合連続ヒットをマーク。そのうち6試合でマルチ安打を放ち、早くも今季3度目の猛打賞。打率5割でセ界の首位打者を走る。本塁打2発、6打点もチームトップの3冠。昨季は開幕から4試合連続無安打と出遅れたが、今季は開幕戦から3安打を放つなど、好スタートを切った。好調が続くが「いつも通り後ろにつないでいる。そういう気持ちだけです」と至って冷静だ。

気持ちを切り替えた。前日2日の同カードでは、8回2死一、二塁から桑原の二遊間への打球に猛スピードで前進。グラブに1度入ったボールがこぼれ、19年9月16日以来2シーズンぶりに「E」ランプがともされた。菊池涼は「それは別にもう…」と話し、「あそこで待って内野安打になるくらいだったら、攻めてチャレンジした方が投手としても納得できるかなと思った。僕的にはいつも通りのプレーです」と振り返った。

菊池涼の奮闘ぶりについて佐々岡監督は「守りも当然ですけど、キクがしっかりと引っ張ってくれている」とうなずいた。チームは2カード連続の勝ち越しを決め、単独首位を守った。19年9月15日以来566日ぶり、佐々岡監督就任後初の貯金「3」とした。リーグ3連覇を支えた1人、鯉の背番号33が、攻守の要としてチームを押し上げていく。【古財稜明】

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