楽天岸孝之投手(36)が3年越しの10連勝をマークした。古巣の西武戦(メットライフドーム)に先発し、6回3安打2失点と好投。打線の援護にも恵まれて開幕2連勝とし、19年シーズンから続いている連勝も2桁に伸ばした。チームは開幕から4カード連続で初戦白星となり、首位西武にゲーム差なしと肉薄した。

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岸は割り切っていた。「ソロホームランならしょうがないかなという余裕を持って投げられたのも逆に良かった」。調子は良くなかった。制球が乱れ、2回に中村に浴びた一時同点2号ソロも内角を狙った直球が逆球になった。それでも打開できる技術と経験値が、岸にはある。最遅104キロのスローカーブを随所にちりばめ、チェンジアップやスライダーをアクセントに140キロ台の直球とのコントラストで山賊打線を6回2失点にまとめた。

岸 あんまり良くない中で、緩急で変化球もうまく使って抑えられた。それを引き出してくれた下妻にも感謝したいですね。

大量得点で援護してくれた打線にテンポのいい投球で応え、また1つ勝利を重ねた。19年9月16日オリックス戦から始まった自身の連勝は「10」となった。「やっぱり負けるよりかは絶対に勝ちたいので」と一喜一憂はしないが、純粋な思いをパフォーマンスにつなげている。

昨季は腰の張りで出遅れ、7勝0敗でも悔しさが残った。「1年間通してチームのために、と思っている」と今季はフル回転を期す。36歳となり、体のケアも「やんなくていいか、大丈夫かなとは思わなくなりました。いい時こそ(ケアを)受けておこうかなという感じです」と万全を期す。

これでチームは開幕から4カード連続でカード初戦をものにした。「やっぱ涌井が表のカード頭をしっかりと勝っているところを見ているので、こっちもカード頭はしっかり取りたいなという思いは強いです」。まだまだ連勝を伸ばし、チームを勢いづけていく。【木下大輔】

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▽楽天石井GM兼監督(開幕2連勝の岸に) 前回よりもちょっと制球がアバウトだったが、うまく持っている球種で緩急、強弱を付けて最低限のピンチに抑えてくれた。

▽西武渡部(楽天岸に) あれ、という感じで打ち取られてしまい、結果を残すことができませんでした。