エンゼルス大谷翔平投手(26)が9日(日本時間10日)、ブルージェイズ戦でメジャー通算50号を放った。松井秀喜外野手(元ヤンキース)の175本塁打、イチロー外野手(元マリナーズ)の117本塁打に続く日本人選手3人目の大台到達。これまでの1発から、大谷の印象的なアーチの軌跡を振り返る。

◆第1号 2018年4月3日、インディアンス戦。本拠地のデビュー初打席でメジャー1号を放った。右中間スタンドへ3ラン。同1日に投手として初勝利を挙げており、その2日以内に本塁打を放ったのは、1921年のベーブ・ルース(当時ヤンキース)以来という快挙。

◆ルース超え 2018年4月4日、インディアンス戦。14、17年のア・リーグのサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)右腕クルバーから同点の1発。先発登板の2日後に打者で出場したケースで、2戦連発はルースでも記録していない。元祖二刀流の“神様”を超えた。

◆3戦連発 2018年4月6日、アスレチックス戦。2回に151キロ速球を中堅スタンドにたたき込んだ。日本人では松井秀以来2人目の3戦連発。本拠地デビューから3戦連続の「1本塁打&2打点以上」は、ア・リーグ初の快挙。

◆内角怖い 2018年4月27日、ヤンキース戦。2回にヤ軍開幕投手セベリーノの156キロ速球に力負けせず、高速ライナーの先制4号。セベリーノに「内角へのいい球だったが、それを運ばれた。脱帽するしかない。もう2度と内角には投げない」と脱帽させた。

◆代打弾 2018年7月8日、ドジャース戦。同点の7回、中堅スタンドへ決勝のメジャー初代打本塁打を運んだ。前日に自打球を右膝に受け、全力で走れない状態の中で約135メートル飛ばした。

◆マルチ弾 2018年8月3日、インディアンス戦。初回に先制10号2ラン、3回には同点11号ソロと、メジャー移籍後初の1試合2発と2打席連発。さらに8、9回にも安打を放って初の1試合4安打を記録。チームの連敗を4で止める立役者となった。

◆傷心でも2発 2018年9月5日、レンジャーズ戦。試合前に精密検査を受け、右肘靱帯(じんたい)に新たな損傷が見つかり、靱帯再建術の手術勧告を受ける。それでも試合には3番DHでフル出場し、17、18号を含む自己最多タイの4安打、自己新の5出塁、4得点。盗塁も決めた。

◆日本人1年目最多弾 2018年9月7日、ホワイトソックス戦。3回に19号の勝ち越し3ラン。2度目の3試合連発で06年の城島健司(マリナーズ)の18発を超え、日本人ルーキーのシーズン最多本塁打記録を塗り替えた。

◆自己最多タイ 18年9月26日、レンジャーズ戦。同点の8回、日本ハム時代の同僚マーティンから決勝ソロ。前日25日に右肘手術を行うことが発表されたが、22号でシーズン自己最多本塁打に並んだ。

◆術後初アーチ 2019年5月13日、ツインズ戦。3回に飛距離約131メートル、26打席目で特大の19年1号。投手としてのリハビリを再開させた日に、打者復帰後初アーチを放った。

◆ムーンショット 2019年5月18日、ロイヤルズ戦。この年の本拠地1号アーチは飛距離120メートル、打球角度39度で最高到達点152フィート(約46・3メートル)の高い軌道を描いた。データ解析システム「スタットキャスト」の担当者も「ムーンショット(月への1発)だ。とても速く、そして高く上がった」と絶賛した。

◆花巻東の先輩撃破 2019年6月8日、マリナーズ戦。高校の先輩である菊池雄星投手との「花巻東対決」に完勝。メジャー初対決で4回の第3打席で左中間へ6号ソロを放つなど3打数2安打で菊池をKOした。

◆マエケンにも1発 2019年6月11日、ドジャース戦。1回の第1打席で前田健太投手から右翼席へ7号ソロ。3日前に続いて、再び日本人対決を制した。日本人2投手から1発を放ったのは、日本人ではイチロー以来2人目。

◆連続2ケタ弾 2019年6月27日、アスレチックス戦。中堅左へライナーで10号を運び、2年連続2桁本塁打に到達。日本人では松井秀、井口資仁、城島、福留孝介に次いで5人目。

◆月間9発 2019年6月30日、アスレチックス戦。メジャー3度目の1試合2発。本拠地でのマルチ本塁打は初めてで、月間打率3割4分、9本塁打、22打点で絶好調の6月を終えた。

◆弾丸アーチ 2019年9月11日、インディアンス戦。18号ソロで1年目を超える62打点目を挙げた。打球速度114・4マイル(約184キロ)は通算50本塁打の中で2番目に速く、打球角度19度は最も低い高速ライナー弾だった。

◆リアル二刀流の初打席でも 2021年4月4日、ホワイトソックス戦。「2番投手」でDHを解除した“リアル二刀流”が実現。1回の第1打席、自己最長飛距離(137・4メートル)となる豪快な先制ソロ。投手では4回2/3を投げて7三振を奪い、2安打5四球で3失点(自責1)で勝利投手こそ逃したが、全米中継された歴史的な一戦でファンの度肝を抜いた。