ヤクルトが引き分けを挟む5連勝で2位に浮上。快調に飛ばす首位阪神も勝率7割超をキープしている。どのチームにも、キラリと光るプレーをみせた選手がいる。日刊スポーツの12球団担当記者が独断と偏見+愛情? で選んだ先週のチーム別MVPを紹介。セ・リーグ編です。

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【阪神ジェフリー・マルテ内野手(29)】

20日からの巨人3連戦で大暴れだった。初戦は2打席連続本塁打を放って3打数2安打3打点、2戦目も第1打席にソロなど計12打数6安打4打点、3本塁打。アーチを描いた後にベンチ前で仲間も巻き込んで決める今季のパフォーマンス「ラパンパラポーズ」はファンにすっかりおなじみとなっている。来日3年目の助っ人は首位を走るチームの一体感にもひと役買っている。

【ヤクルト清水昇投手(24)】

20日広島戦(マツダスタジアム)からの6試合中、5試合に登板して、合計5回無失点。4ホールドを記録し、23日中日戦(神宮)では、プロ初セーブを挙げた。フル回転でブルペン陣を支え、チームの5連勝と2位浮上に大きく貢献した。昨季はセットアッパーとして、ブレーク。チーム最多の52試合に登板し、最優秀中継ぎのタイトルをゲット。鉄腕ぶりは今季も健在。これまで14試合で防御率1・35。安定した結果を残し、試合終盤の出番に備えている。

【巨人岡本和真内野手(24)】

主砲が6戦で23打数7安打5打点と調子を上げた。21日の阪神戦では2打席連続で初球を捉え連続アーチ。通算100号に王手をかけた。現在通算466試合で1試合で達成すれば球団では原辰徳監督に次ぐスピード記録。2戦で到達すれば松井秀喜に並ぶ。好調を維持して早期の大台到達を目指す。

【広島・栗林良吏投手(24)】

守護神として3試合に登板し2セーブを挙げ、リーグトップタイの8セーブを獲得。24日の巨人戦では自己最速を更新する154キロを計測。翌25日の同戦では圧巻の3者連続三振で最後を締めた。デビューから12試合連続で無失点を継続中で、ソフトバンク甲斐野が19年にマークしたドラフト制後の新人最多となる13試合連続に王手をかけた。

【中日・福谷浩司投手(30)】

22日DeNA戦(横浜)で今季初勝利を挙げた。初の開幕投手を務めたが、3試合続けて失点。昨季、エース大野雄に次ぐ8勝を挙げた右腕は波に乗れなかった。DeNA戦では、150キロの直球と、フォーク、ツーシームなど変化球のコンビネーションがさえ渡り、強力打線を単打4本。今季最長8回4安打無失点で役目を終えた。「自分の勝ちよりチームの勝ちが一番」。19年から先発に転向し、目標に掲げる初「完投」に近づいた。

【DeNA神里和毅外野手(27)】

チームの10連敗(2分け挟む)を止めた。7番中堅でスタメン出場した23日の阪神4回戦(甲子園)では第1打席から3打席連続、満塁で回ってきた。最初はニゴロで1打点。次は押し出し四球で1打点。5回の第3打席は右前打で1打点。ところが、この打球を右翼佐藤輝が後逸している間に、快足を飛ばして一気に本塁まで生還。「満塁ランニング本塁打」のような形で、一挙4点が入った。連敗中は3得点以上が1試合、11試合が2点以下。1イニング4得点は、神里が満塁本塁打を打った6日の中日1回戦(バンテリンドーム)以来だった。