「伝統の一戦」が、15日の試合で通算2000回目を迎える。1934年(昭9)創設の巨人と35年創設の阪神は、日本野球界における「永遠のライバル」として幾多の名勝負を繰り広げてきた。対戦成績は巨人の1093勝834敗71分けで、今季は3勝3敗と伯仲している。首位阪神と2位巨人のゲーム差は3・5。14日からの巨人阪神3連戦(東京ドーム)の第2戦で迎える節目の一戦を前に、両球団の歴代キャップ8人の「マイ ベスト 伝統の一戦」をはじめ、日刊スポーツが選出した名場面をお届けします。(記録は2021年5月11日現在)

◆15年7月10日 (東京ドーム)

首位攻防戦になると、意地と気迫がさらに増すと肌で感じた瞬間だった。キャップになる6年前の巨人担当時代。打撃不振で7番に降格していた村田修一が逆転2ランを放った。2カ月半もノーアーチで迎えた伝統の一戦の前夜、家族とたこ焼きパーティーを開き「タコ=無安打」を焼くという験担ぎを敢行。それほど、この一戦に懸けていた。伝統の一戦が生み出す集中力のすごみを実感。家族が見守る中、お立ち台では涙で言葉に詰まり、約20秒も沈黙した。絞り出した感謝の言葉をかき消すほどの大歓声が男・村田を包んだ。【21年~・浜本卓也】

巨人-阪神15日に通算2000試合 歴代キャップのベストゲーム―>