耐えた~。明石で、負けなかった~。ソフトバンク明石健志内野手(35)が執念の同点打を放ち、今季7度目の引き分けに持ち込んだ。0-2の7回2死二、三塁で、日本ハム上沢のフォークを中前に運んだ。2点適時打に「うまく拾うことが出来たと思う。何とかみんなでつないで作ったチャンスで、同点となる1本を打つことが出来て良かった」。6回まで1安打に抑えられていた難攻不落の右腕をとらえ、工藤監督も「負けているところでよく追いついた。大きいです」と最敬礼だ。

15日の同戦では、8試合ぶりのスタメンで決勝打となる先制打を放った。今季は先発出場はわずか4試合ながら、5打点。得点圏打率は6打数3安打で、打率5割だ。プロ18年目を迎えたベテランが、いぶし銀の働きを見せている。指揮官は「これを1日でも長く続けられるようにしてほしいなと思います」と、さらなる期待を寄せた。

1シーズンで7度の引き分けは、15年からの工藤政権下では最多。「9回打ち切りルール」の影響は大きいが「引き分けも大きい。負けている時は引き分けて、勝ってる時はどう勝ちきるか。なんとかそういうゲームを増やしていく」と悲観することはなかった。2位楽天が勝ち、1日で首位から陥落も、勝率差はわずか3厘。ワシの背中に、タカはピッタリくっついている。「今年は特に、実力があるとかないとかじゃない。勝ちきるには最後の集中力」。ベテランのここぞの集中力が、チームを敗戦から救った。【只松憲】