ソフトバンクが80年ぶりの奇襲で7日ぶりに首位へ浮上した。

2番捕手・甲斐-。球団では南海時代の41年国久松一以来となる、先発捕手の2番起用だ。その甲斐が1回に田嶋から四球を選び、1死一、三塁で柳田の先制3ランを呼び込んだ。発案者だった工藤公康監督も「初回からああいう攻撃ができたことで、田嶋君を早く攻略できた」とニンマリ。80年前といえば、20日に81歳の誕生日を迎えた王球団会長が1歳のころ。球団創設期以来の大胆なオーダーで、オリックスに快勝した。

明確な起用理由があった。甲斐は打率2割台後半を維持するなど好調。犠打、四球といったつなぎの役割もできる。指揮官は「作戦がいろいろできる。状態もいいし、フォアボールも取れるだろうなというのもあって。そこからチャンスが生まれたら面白くなるというのもあった」と、明かした。「打順は特に意識をせず試合に臨みました」と甲斐は話すが、過去に「僕に2番はないんですか?」と直訴したことがあるという。相手先発が左腕の田嶋だったこともあり実現した。

決勝弾を放った主砲の柳田も「いいバッティングをしたい気持ちだけで打席に入っています」と振り返った。今季本拠地では初となる無観客試合で勝利。指揮官は「ホークスらしい強い野球を見せられるように。ファンのみなさんがいる時よりも力を出して、勇気を届けられるように」と引き締めた。王者が、首位の座を固めていく。【只松憲】

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