<首都大学野球:明星大7-0武蔵大>◇入れ替え戦◇30日◇サーティーフォー相模原

明星大の最速152キロ右腕、権田琉成投手(4年=上田西)が134球を投げ抜き、完封勝利を挙げた。入れ替え戦を1勝1敗のタイに持ち込み、第3戦は、6月1日に平塚球場で行われる。

負ければ1部昇格が消える試合で、しっかり責任を果たした。緊張もある中、被安打7の3四球、7奪三振で完封。「2回までは球がうわずっていたけど、3回からはいつも通り自分の投球が出来ました。0(失点)が9回まで並んだのは、偶然です」と謙遜した。

この日は、スカウトのガンで最速147キロをマーク。カットボール、スライダー、スプリット、カーブを操って打たせて取る投球。スライダーは握りを変えて2種類投げるなど多彩な変化球を持っており、この日は使っていない球種もあるという。

入れ替え戦の第3戦を見据え、点差が開いたタイミングでの継投策もあったが、吉田祐三監督に「投げたいです」と直訴した。球数も多く「少し悩んだんですけど、ここまで投手として投げてきて、(途中で)降りるのは違うなと思って、行きました」と明かした。

今春リーグから本格的に先発に転向し、頭角を現した。持ち味のスライダーは、巨人菅野の動画をYouTubeで自分なりに分析。握り方やリリースを工夫したことで球速アップ。直球もリーグ戦で自己最速152キロをマークし、NPBスカウトから注目されるまでになった。進路については「まだ実力はないけど、いけるならプロにいきたい」という思いもある。

まずは、チームの目標である1部昇格へ。中1日で迎える大一番は「頑張ろう!という感じです」と笑顔。水ぼうそうで田中麟太郎主将(4年=帝京)を欠くが「負けられない試合。みんなの力を合わせたい。麟太郎のために頑張る」と意気込んでいた。

▼スカウトの権田評

巨人内田スカウト「腕の使い方や柔らかい。カット、スライダーがよく、コントロールも悪くない」

ソフトバンク松本スカウト「球にキレがある。変化球を操るのが上手。これからも、継続して見ていきたい選手です」