日本ハム渡辺諒内野手(26)が、待望の今季1号を放った。「日本生命セ・パ交流戦」広島戦(マツダスタジアム)の1回、2死一塁で左越え2ラン。今季出場45試合、178打席目での快音。ストレートが得意な「直球破壊王子」が、遅球のカーブを捉えた。チームの連敗は「2」でストップ。6月攻勢へギアを上げていく。

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「直球破壊王子」が、遅球を破壊した。1点先制した直後の1回2死一塁。渡辺が待ちわびていた1発を突き刺した。大瀬良の初球。捉えたのは116キロカーブ。「本当に、全然頭になかった」と苦笑いも、うまく反応し、左翼席看板に直撃する1号2ランを放った。160キロ超の直球を破壊してきたバットで、スローボールにも対応してみせた。

予言が的中した。試合前練習中、ストレッチしていると後輩の浅間から「ナベさん、この3連戦で絶対ホームラン打ちますよ」と、おもむろに予言されたという。半信半疑で迎えた第1打席。すぐにアーチが飛び出て、驚きは倍増。「ダイキに感謝です。予言者です」と笑った。出場45試合178打席目での1発。直近5試合で6打点をマークするなど、中軸の役割を果たしている。

昨季は「直球破壊王子」が定着し、高卒7年目で主力の地位を確立した。一方で活躍の代償として、内角攻めが増えるなど配球が一変。「打席で悩むことがあった」と苦しんだ。5月4日には新型コロナウイルスの濃厚接触者の判定を受け、戦線離脱を強いられた。「(杉谷)拳士さんが頑張っていたので、僕も負けないようにと思った」と、自主練習に励んだ。

栗山監督は「本当に、いい形の攻撃だったね」と称賛した。「本塁打がいいのではなくて、いい打ち方をしている打者には本塁打が出たりする。こうやって状態を上げてくれれば有り難い」と話した。チームは連敗を「2」で止めた。渡辺は「しっかりシンプルに打席に立てるように、もっとやっていきたい」と頼もしい。直球も遅球も破壊して、6月攻勢の旗手となる。【田中彩友美】

▽日本ハム近藤(3回に右越えの7号2ラン) 甘く入って来たボールを1球で仕留めることが出来て良かったです。