エースが復活した。DeNA今永昇太投手(27)が7回4安打1失点で、今季初勝利を挙げた。

昨年10月に左肩を手術。復帰4試合目での白星に「手術を決めた日、した日、状態が一進一退で本当に戻れるだろうかと思った日が頭を駆け巡った」。三嶋からウイニングボールを受け取り、昨年8月8日以来309日ぶりの勝利をかみしめた。

声が出た。「自然と力む場面だったので」。7回2死二塁。代打大田を迎えた。復帰後最多となる108球目。147キロの直球で空振り三振を奪った。グラブをたたき、ほえた。「流れを渡すわけにいかなかった」。スライダーの制球を欠いたが、最速149キロの直球に最も遅くて111キロのカーブで緩急をつけた。

つらい時期をプラスに変えた。「パワーアップして戻る」。球の回転数や回転効率は故障前より上がった。4月は1軍が10連敗。「ファームにいて1軍のことを何も知らない空気感で上がるのは組織としてはよくない」とリハビリ中も試合をテレビで観戦。先発投手の気持ちを思うと、眠れない日もあった。だが、自分の名前が入ったタオルを振るファンに勇気づけられた。岡目八目で「強引にいかない」客観的な投球術も身に付けた。三浦監督も「押すところと引くところが良かった」と目を細めた。

好投で交流戦を07年以来の3位で締めた。「何とか勝って終わりたかった。まずは勝ち越して、これから先もっと上を目指していく」。「先発投手は週に1度。投げない日の振る舞いが大切」というエースは、姿勢でも成績でもチームをけん引していく。【斎藤直樹】

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