「3番侍」で連敗止めた! 東京五輪の日本代表に選ばれたソフトバンク柳田悠岐外野手(32)が、5月8日西武戦以来33試合ぶりに3番で先発。2試合連発となるダメ押しの16号2ランを放つなど3打点の活躍で、沈んでいた打線を活性化させた。チームは連敗を4で止め、10日広島戦以来8試合ぶりの白星で2位に浮上した。

あっという間だった。柳田の放った弾丸ライナーは、一直線に右翼ポールを直撃した。3点リードの7回2死二塁で、点差を広げる価値ある1発。「前の打席でふがいない三振をしてしまったので、自分へのいらだちを打席にぶつけました。最高の結果になって良かったです」。なかなか勝てなかった、打てなかった。たまったモヤモヤをバットに込めた。

グラシアルが負傷離脱して以降、3番栗原、4番柳田の形が続いていた。だがかみ合わない。5月8日時点で2割6分4厘だったチーム打率は、この日の試合前時点で2割5分1厘まで落ちていた。順位も、4位ロッテの足音が聞こえていた。小久保ヘッドや打撃コーチ陣から提案を受けた工藤監督は「(栗原は)意外と勝負どころで強いんですよね。その意図も理解できたので。自分でチャンスをつくるというよりは、自分で決める方がいいんじゃないかと」と、打線改造に踏み切った。

先制は、10試合ぶりの初回得点となる中村晃の犠飛。4回には今宮が、チーム47イニングぶりの適時打を放った。工藤監督は「1つ歯車がかみ合うだけで、こうなるんだと。これを続けていこうということにもなる。この1つの勝ちは非常に大きいなと思います。明日につながる、つなげなきゃいけないなと思います」。ただの1勝より重みのある、連敗脱出劇となった。【山本大地】

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