惜しかった。ソフトバンクのコリン・レイ投手(31)がノーヒットノーランを思わせる、今季チーム初完封の快投で、チームを1カ月ぶりの3連勝に導いた。引き分けなしで、3戦3勝はなんと4月23日ロッテ戦以来3カ月ぶり。前半戦ラストスパートで、ようやく鷹らしい勢いが出てきた。

スタンドも固唾(かたず)をのんだ。レイが無安打投球を続けていた8回2死一塁、楽天炭谷の詰まった打球が、右翼手と二塁手の真ん中にポトリと落ちた。それでも動じない。後続を打ち取ると、9回も続投し、被安打2で、日米を通じて自身初の完封勝利。「(無安打に)気がついたのは6回くらい。達成したかったけど、そんなに簡単ではないね。チームが勝てたのが一番」とマウンドでは崩さなかった顔を緩め、笑った。

「日本でプレーしたい」という思いを持ち、今季から加入。来日4年目の同僚マルティネスには「日本の野球や打者の特徴、1つ1つの話が助けになっている」と教えを請い、日本を知ろうと努める。バッテリーを組む甲斐にも「彼なしでは今日のような投球は到底できない。どれだけ研究に費やしているか、頭が下がる思いだよ」と、感謝を忘れない。おごることのない「和の心」で、早くも日本にアジャストした。

工藤監督も「ノーヒットノーランに匹敵するナイスピッチング」と右腕をたたえた。チームは前半戦2試合を残し、勝率5割以上でのターンが決定。苦しい時期もあったが、踏ん張っている。【山本大地】

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