DeNA田中健二朗投手(31)が19年8月の左肘手術後、初の1軍登板を果たした。7回から3番手で登場。先頭のディクソンを四球で歩かせたが、続く黒川を遊ゴロで併殺に仕留めた。ここから太田に四球、武藤に右前打を許して一、二塁としたが、1番小深田から140キロ直球で見逃し三振を奪い、1回を無失点に抑えた。

1軍登板は18年以来、3年ぶりとなった。全28球。最速は144キロをマークした。「緊張であまり覚えてないぐらいです。マウンドに立てて、緊張感のある勝負ができて本当に楽しかったです。持ってるモノは出せたと思うんですけど、もう1つ精度というところで、ボールボールとなったことが多かったので、そこをもう1回突き詰めていければ」と振り返った。

左肘内側側副靱帯(じんたい)再建手術(通称トミー・ジョン手術)から715日、いろいろな思いが駆け巡った。「投げ始めて、ある程度ボールが投げられるようになってからまたちょっと痛みが出たりとか、そういったことを繰り返してた時が一番つらかった。そういうのは思いましたね」。だが、復帰をあきらめることはなかった。「もう絶対復帰してやるとしか思ってなかったので、それがモチベーションでした」と明かした。

エキシビションマッチは残り7試合、後半戦は残り57試合だ。「もう残り試合が多くない。後半戦のスタートから1軍にいられるようにと思っている。ファームで野球をやるつもりは僕はないので、そういう風に意気込んでおります」。ベテラン左腕には、1軍の華やかな舞台が似合う。「お客さんの前で投げられたのは1つ良かったですし、これからもっともっとたくさんのお客さんの前でいいパフォーマンスができればと思う」。復活への第1歩をかみしめた。【斎藤直樹】