雨にも負けない、ロッテ佐々木千隼投手(27)の無失点投球が逆転を呼び込んだ。8回、1死からストレートの四球を出したが崩れない。日本ハム石川亮はスライダーで中飛に。西川には外角球を引っかけさせて二ゴロに打ち取った。「走者を出してしまったんですけど、ゼロに抑えられてよかったです」。ヒーローは淡々と、でも確実に仕事をこなした。

首脳陣の執念が実った。1点ビハインドで勝ちパターンをつぎ込んだ。7回に国吉を、8回に佐々木千を。1日の西武戦では先発、救援の4投手全員が失点して差を広げた。井口監督は「前回は継投で点を取られている。昨日は休みでしたし、この3連戦は取りこぼせない。勝てる試合は全部勝たないといけないと思います」。6回以降、相手打線を無安打に封じた。

佐々木千は中継ぎながら、岩下に並ぶチーム最多タイの8勝目。開幕から無傷の8連勝は、オール救援では球団史上初の偉業だ。「勝ち運というのか分からないですけど、いつも終盤に点を取ってくれる。頼もしいバッター陣だと思います」。終盤に強い打線を象徴するように勝ち星が増えた。野手から見ればゼロで抑えてくれる投手こそ頼もしい。互いの信頼が逆転を生んだ。

手術で投げられない年もあったが、5年目は初めて球宴に出場するなど飛躍のシーズンに。「本当に優勝を目指してやっていきたい。まだまだいい位置にいる。勝ちにこだわっていきたいと思います」。ペナントレース100試合目に花を添えた。残り試合は全員で抑えて、援護を待つ。【鎌田良美】