セ、パ両リーグは8日、7・8月度「大樹生命月間MVP賞」を発表し、広島鈴木誠也外野手(27)が初受賞を果たした。2カ月で計27試合に出場し、打率3割3分3厘、9本塁打、27打点を記録していた。主砲は「なかなか取れる賞ではないので、うれしいです。周りにすごい選手がいる中で、こうやって選んでもらえて光栄です」と喜んだ。

同期間中に行われた東京五輪では、侍ジャパンの4番として出場し、金メダル獲得に貢献した。鈴木誠は「(侍で)いろんな選手と交流できて、自分の中ですごくプラスになった国際舞台だった」と振り返った。

後半戦序盤こそ苦しんだが、7日の中日戦では自身初の4戦連発となる2本塁打を放つなど、状態は上向きだ。「いろんな選手に、感覚や練習だったりを聞いて、少しずつ取り入れながら、自分に合うものを選択しながらやれている。少しずつ形となって(プレーに)出てきてくれた」と手応えをつかみつつある。

チームがBクラスに甘んじていることに、4番としての責任も感じている。「今この順位(4位)にいるのも僕自身が最初ずっと打てていなかったから。3位にいくまで結構差もあって、なかなか厳しい状況ではある。諦めることは簡単なんですけど、もがくことは誰でもできる。本当に諦めず、最後までやりたい」と強い決意を示した。

今季残り40試合、まだまだチャンスは残っている。「得点圏のときだったり、良い場面で回ってくることが多い。今は(5番の)坂倉も調子が良いですし、僕への勝負というのが数多くなると思う。“坂倉様”に負担をかけないように、僕自身しっかり頑張っていきたい」と冗談を交えながら抱負を語った。量産態勢に入った主砲が、最後まで死に物狂いで暴れ回る。【古財稜明】