日本ハムは西武15回戦(メットライフドーム)に敗れ、連勝が2で止まった。試合の分岐点は1点差に迫った3回無死二塁の場面。二塁走者の西川遥輝外野手(29)が浅めの中飛で積極果敢に三塁へタッチアップを試みたが、セーフ判定が相手のリクエストによるリプレー検証で判定が覆り、痛恨の走塁死となった。最大のチャンスを逸すると、試合の流れを引き戻すことはできなかった。

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結果的に、試合を左右したチャレンジになってしまった。3回無死二塁。適時二塁打を放って1点差とした西川が二塁走者だった。次打者の野村佑希内野手(21)は中飛。やや浅めで右中間寄りのフライだった。西川はすぐにタッチアップの準備に入った。中堅の岸が捕球すると同時にスタート。送球がややそれて、西川がスライディングで伸ばした足がタッチより先に三塁に到達したかに見えた。判定もセーフ。すぐさま西武ベンチはリクエストでリプレー検証を要求した。映像で確認した審判団の結論は、無情にもアウトだった。

試合後に栗山英樹監督(60)は言った。「行くべき。あんなの待っている場合じゃねぇ。ナイストライ」。攻めの姿勢でチャンス拡大を狙った西川の心意気をたたえた。もちろん気持ちだけでなく、中堅守備で昨季まで4年連続でゴールデングラブを受賞した西川ならではの感性も後押しして、セーフになれると確信してのスタートだったはずだ。好走と暴走は紙一重と言われるが、セーフだったら…と後ろ髪を引かれる場面となったのは、失敗を恐れずにトライした姿が前向きなものだったからだろう。

5位西武に敗れて、つかみかけていた背中は少し離れて3差、CS圏までは8・5差となった。栗山監督は「攻めまくらないと流れなんか来やしない。だいぶ、そういう感じが出てきたんだ。明日からしっかりやる」と、敗れても語気は強かった。残り37試合で希望をつないでいくには、自分たちでどんどん仕掛けていくしかない。【木下大輔】