亜大が駒大に勝利し、13年秋以来の開幕3連勝を飾った。今秋ドラフト候補のエース松本健吾投手(4年=東海大菅生)が6回1失点と試合をつくった。

エースの意地を見せた。先発の松本は抜群の制球力と変化球で緩急をつけ、駒大打線を3安打1失点に封じ今季初勝利を挙げた。

勝負をかけていた。第1週の青学大戦で2戦ともに先発するも途中降板。試合は勝利したが、勝ち投手にはなれなかった。「情けない投球が続いて迷惑をかけた。今日は必死でした」。強気に内角を攻め、得意のカットボールが生きた。生田勉監督(55)は「健吾がチームの柱」と大きな信頼を口にした。

「エースは自分しかいない、自分がやる」。春のリーグ戦終了後、何度も自分に言い聞かせた。「逃げることも隠れることもできない。プレッシャーも力に変えようと思いました」。1日200球の投げ込みに10キロの走り込み。毎日のトレーニングで追い込み、真の強さが心に宿った。

小さいころから負けず嫌いだったが、弱音は吐かなかった。小学生の時、試合で負けると家族には「大丈夫」と穏やかに笑い、風呂場で悔しさをぶつけて扉を壊したこともある。母明子さん(49)は「たくましく成長しましたね」と目を細めた。

亜大が開幕3連勝を達成した13年秋は、九里(広島)山崎康(DeNA)を擁し、7連勝でリーグ優勝を果たした。「今はリーグ戦に集中。結果にこだわりたい」と力を込める。プロで活躍する先輩たちに続くために。エースとしてチームを優勝に導く。【保坂淑子】