日本ハムは、育成4人を含む大量13人を指名した。65年の第5回ドラフトに並ぶ球団最多指名となった。球団は例年、その場しのぎの補強ポイントに重きを置くのではなく、中長期的な視点に立って指名選手を決めている。今年は高校生が8人。潜在能力を高く評価した選手が多かった。北海道北広島市に建設中の新球場の開場を23年に控え、新時代を支えるヒーローの育成に力を注ぐ。

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会議を終えた栗山英樹監督(60)は、今季最下位に沈む現状と照らし合わせ「チームを何とかしないといけない状況があるので、たくさんの選手たちを指名できたのは、すごくありがたい」と、うなずいた。指名した選手は、育成枠を含めて総勢13人。ドラフトを経て全員入団となれば、球団史上最多となる。

13人のうち、1位達を筆頭に高校生が8人を占めた。吉村GMは「結果的に高校生を多めに取った年にはなった」と総括する。2位有薗は、高校通算70本塁打を誇る右の長距離砲。長年4番としてチームを支え、今季途中に巨人へ移籍した中田のような活躍が期待される。

大学、社会人では、3位水野、9位上川畑と2人の遊撃手が目を引く。絶対的な遊撃手が不在の今、大渕スカウト部長は「攻撃の水野、守備の上川畑とタイプの違う2人。内野手に刺激を与えてくれたら」と、その狙いを明かした。

今年はドラフト会議が例年より早い開催となった。同GMは「チーム編成において、現有戦力との比較をした上で、欲しい選手を全員取りにいこうということになった」と影響を説明。来季構想を練りやすくなったことが、大量指名につながったとみられる。【中島宙恵】