北の大地で夢は途絶えた。ソフトバンクは日本ハムに快勝したが、首位オリックスがロッテと引き分け。

残り試合に全勝しても勝率で上回れず、リーグ優勝の可能性が消滅した。今季限りで退任する工藤公康監督(58)のリーグ2連覇は、134試合目でついえた。「必ずいい形で最後は終われるように頑張っていきたい」。わずかに残るCS出場の可能性に懸け、指揮官は自らを鼓舞するように切り替えた。

開幕4連勝で滑り出した直後に急ブレーキの5連敗。8度の優勝を誇った得意の交流戦は5勝9敗4分け、球団ワーストの勝率3割5分7厘と大失速した。左足首をけがしたエース千賀をはじめ東浜、森、モイネロ、グラシアル、周東といった主力の負傷離脱も響いた。

ベテラン和田も左肩のコンディション不良が続いた。開幕投手の石川は、チームで唯一規定投球回に達するも無援護に泣いて6勝にとどまる。3割打者は主砲の柳田だけという現状だ。チーム打率はリーグ3位の2割4分6厘で、防御率は同1位の3・27。Bクラスに低迷するような悲観的な数字ではないだけに、投打のかみ合わない試合が多かった。

5年連続日本一へ、残された道は逆転でのCS進出のみ。残り9試合で、13日からは5ゲーム差で追う3位楽天と敵地2連戦を控える。「やるしかない!」と、工藤監督は気合を入れ直した。有終の美を求めて最後まで意地のタクトを振るう。【只松憲】