ドラフト会議で指名された両先発投手が、意地の投手戦を繰り広げた。

ヤクルトから1位指名された法大・山下輝投手(4年=木更津総合)は、制球力よく6回を被安打5の4奪三振、無失点。楽天から6位指名された早大・西垣雅矢投手(4年=報徳学園)は被安打3の9奪三振で完封。試合は2試合連続で0-0の引き分けに終わった。

身長188センチ、体重100キロの大型左腕、法大・山下輝はホッとした表情を見せた。ドラフト会議後、初の先発マウンドで、6回無失点。「ブルペンからあまり(調子が)良くないなと思っていたけど、試合をまとめられたのでよかった」と振り返った。

やっと、ご飯がおいしく食べられるようになった。ドラフト会議の3日前からは「指名されるかなとか、人生初の事なので、喉を通りませんでした」と緊張。ヤクルトから1位指名を受けた後、寮で夕食に出た明太クリームパスタが「おいしかったです。やっと味がすると思いました」と笑った。

頭はすぐに、リーグ戦に向けて切り替えた。同じくドラフトで指名された西垣との投げ合いも「あんまり意識はしませんでした」。スタンドからは、橿渕スカウトグループデスクらヤクルトのスカウト陣が熱視線を送った。この日は最速151キロをマークし、制球よくコーナーに投げ込んだ。6回2死満塁のピンチを一ゴロで無失点にしのぐと、グラブをポンとたたいた。これからは“ドラ1”の肩書がつく。「多少は(重みを)感じますが、普段通りやれば大丈夫だと思います」と力強かった。【保坂恭子】

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