悲願のリーグ制覇を成し遂げた。仙台大が8勝1敗同士で並んだ東北福祉大に3-2で競り勝ち、17年秋以来の優勝旗をつかんだ。森本吉謙監督(47)の下、大北広紀主将(4年=駒大苫小牧)を中心にナインが結束。4年もの間、あと1歩のところで苦杯をなめさせられた宿敵に雪辱を果たした。チームは仙台6大学野球連盟代表として、30日開幕の明治神宮大会東北地区代表決定戦(福島・いわき市)に挑む。

4年間遠ざかっていた歓喜の瞬間が訪れた。1点リードで迎えた9回2死。最後の打者を遊飛に抑え、仙台大ナインが涙ながらに抱き合い、喜びを爆発させた。7季ぶりとなるリーグ優勝だ。ベンチで選手を見守った森本監督の目にも込み上げるものがあった。

「たまらないです。優勝まで間が空いていて苦しみもあった。戦力的には4年生中心のチームで『今年(優勝)しなかったら、いつするんだろう』の覚悟の中でやっていた。本当に良かったです」

楽しんだもん勝ちだった。今リーグ戦8連勝で王手をかけて臨んだ23日は1-7で完敗。逆王手を許し、もう後がなくなった。泣いても笑っても最後の「頂上決戦」。指揮官は試合前、選手にゲキを飛ばした。「ぶっ倒れるまで楽しめ!」。初回、先頭のソフトバンク育成2位指名、川村友斗外野手(4年=北海)が右前打で出塁。1死三塁となり、3番辻本倫太郎内野手(2年=北海)の中犠飛で先制点を奪った。3回には2点を追加。重要な局面で好プレーが飛び出し、無失策で1点差を死守。手に汗握る2時間36分の激闘をはつらつとしたプレーでやり切った。

コロナ禍の影響があった苦しいシーズンだからこそ、大北主将のキャプテンシーが際立った。感染対策徹底のため、チームは分散練習。プライベートでの接触も最小限に控えた。部員は200人を超える大所帯。意思疎通を図るため、各ポジションごとのグループラインを活用した。「小まめに連絡を取って、意見交換をした。コミュニケーションを大事にやってきた結果、チームが1つになり優勝できた」。強固な結束力があったからこそ、4年ぶりの秋の頂点へ返り咲いた。【佐藤究】